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弓道における段位「着物編」〜四段、五段以上の昇段に向けて〜

弓道着

段位が上がるにつれて、人を見て学ぶ側から模範となり見られる側へと立場が変化していきます。
昇段するに従って、弓道家としての意識を高めることが求められます。
そのため、弓道の和の文化、和装の知識を深めていくことが必要になってくるのです。

弓道の段位において、四段より上の段位の方と、四段より下の段位の方には違いが見受けられます。
四段以上の方になりますと、竹弓を使用し、着物を着て練習や講習会に参加するという方が増えていきます。
弓道における段位①」「弓道における段位②」では、弓道の段位や級位、審査会などについてお伝えいたしました。
今回は、弓道の高段を目指すにあたり、「着物」について知っておくとよいことをお伝えしていきます。

着物について

日本の礼装を着用する

着物

入学や就職の試験を受ける場合に、皆さんは正装で会場に行かれるのではないでしょうか。
段位を取得するための審査は、言い換えれば試験であります。
弓道においても色物や柄物の着物は着用せず、男性の方は黒の紋付、女性の方も黒の紋付に紺色、もしくは黒色の袴で臨みましょう。
日本の礼装と呼ばれる色の着物を着用して受審されることは、とても好ましいことであります。

弓道の段位において、四段より上の段位と四段より下の段位の明らかな違いは、着物を着用した審査や講習会があるという点が挙げられます。
参段以下の場合は、審査、講習会であっても弓道着で参加することが可能な場合が多いです。

現在初段の方であっても、この先弓道を続けていけばいずれ着物を着ることになります。
道場によってまちまちですが、いずれ着ることになるのですから早め早めに着物にチャレンジして、弓道の世界を広げていくというのもよろしいかと思います。
四段以上の方が必ず着物を着て練習するというものではございませんので、ご安心ください。

着物はこちら>
着物

高段の方におすすめのお仕立てあがり

最初に購入される着物に関しては、弊社が扱っているもののように簡易的なものでよろしいかと思います。
しかし高段になられたときには、反物から作る本格派の着物がおすすめでございます。
長着と呼ばれ、くるぶしまでの長さがあるものが、日本の着物として一般的です。
弊社でも店頭にて、お仕立てあがりの着物の受注を行っております。
「東レシルック」と呼ばれる化学繊維の着物の長着、ウール100%のものなど袴のお仕立てに対応しております。
袴を着用いたしますので膝までではなく、くるぶしまでの長さがある着物をご使用されることを和装の観点からもおすすめしております。

また、日本の着物は弓道用のものではございません。
そのため、弓道がしやすい形に少々アレンジするという注文の仕方もございます。
実際に弓を引く弓具店としてお役に立てることがあるかと思いますので、お仕立てに興味がある方、オーダーしてみたいという方は、お気軽にご相談ください。
お電話、ファックス、メールでのご連絡をお待ちしております。
着物にこだわりをもったスタッフが対応させていただきます。

TEL:052ー241ー3973
FAX:052ー241ー4007

帯について

綿の角帯は1、2年で買い替える必要がございます

綿 角帯

弐段、参段と合格された場合には、一度ご自身がお使いの帯を見てみてください。
なんとなく帯が緩みやすいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
四段合格前の弓道着で使用していた綿の角帯を、四段合格後、着物になってもそのまま使用し続けている方がいらっしゃいます。
綿の角帯は綿100%のTシャツと同じように、引っ張ると伸びるものでございます。
しかし、形が変わりにくいこと、買い換えるものだと思わず気づかないことから、使い続けている人たちが非常に多くいらっしゃいます。

着物だけでなく弓道着を着用する際でも、着崩れがおきやすいと思っている方の場合、意外に綿の角帯が原因であることがあります。
角帯自体が伸びてしまう、へたってしまうと、綿100%の生地は締まりにくくなります。
綿の角帯は比較的安価な値段で販売されております。
1、2年のスパンで買い換えることによって着崩れ防止につながりますし、帯の色を楽しむこともできます。

綿 角帯はこちら>
博多角帯献上柄 綿100%

着崩れを防ぐ正絹の角帯

綿 角帯

着物を着用する場合には、できるだけ正絹の帯を使うことが望ましいとされております。
着物は重なっていくため、綿の帯ですと弓道着以上に緩みやすくなります。
高段になりますと、射場内で肌脱ぎをした後の肌入れの所作がございますが、そのときに乱れ過ぎていると所作が難しくなってしまいます。
着物の場合、男性の方は帯をきつく締め過ぎると肌入れ、肌脱ぎをしにくくなるので、少々ゆとりがあるように締めなければいけません。
綿の帯ですと、そのまま緩んでいってしまいますが、正絹の帯は緩みにくいため、着装の乱れを減らすことができます。

着物を着ると着崩れしてしまうという方の場合、帯をひとつ変えるだけで問題が軽減されることがございます。
高段を目指す上で必要になるものですので、ぜひ一度お試しください。

弓道は武道でございます。
細めの形をした女性用弓道帯というものを見かけることがございますが、女性の方でも男性と同じ角帯をつけるのが武道として正式な形です。
幅が広く、角帯になってるものが本来の形でございますので、こちらをおすすめしております。
女性の方は、安心して男性と同じものをお使いください。

角帯は長さが決まっており、約4mほどの長さがございます。
特に女性の方の場合ですと、長さが大変余ってしまうということが見受けられます。
その場合には、ご自身の長さに合わせてハサミで切ってしまうのが適切ですが、切ってしまってよいのか分からず、切らずに使っているという方がたくさんいらっしゃいます。
お客様ご自身で、3巻きほどした場合にも余ってしまうことがご確認できましたら、ハサミで切って中におりこみ、長さを合わせて使っていただくことをおすすめしています。

正絹の角帯は一般的なものですと、1万円程度の値段になります。
そういった価格帯のものと比べますと、弊社で販売しております正絹の角帯は安価になっております。
弓道で使用する帯であることを考慮した場合に、十分な役割を果たすと弊社が考えているものをご提案させていただいております。


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本場筑前博多織 正絹角帯
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襷について

襷

参段までの審査とは異なり、四段以上(県連により異なります)になりますと、男性の方は肌脱ぎ、女性は襷(たすき)がけの所作が必須になります。
女性の場合には、着物に襷が必要になります。
襷は正絹がよいと言われることもございますが、化学繊維の着物に対して生地が合わなかったり、黄ばんできたりすることがございます。
そのため、襷はポリエステルの凹凸がある生地のものがよろしいかと思います。

襷はこちら>
和服女性用 襷 白

襷さばき 書籍

女性は審査規定の中で、襷さばきをすることと定められております。
襷さばきの仕方は、弓道の専門的な知識と言えます。
弓道をする多くの女性が、襷さばきの所作を身につけるため、こちらの書籍を活用して勉強していらっしゃいます。

襷さばき 書籍はこちら>
弓道専門書 襷さばき 写真解説付

裄について

裄丈の測り方

くるぶし(頚椎)からくるぶし(手首)までの長さを裄(ゆき)と言います。
日本の着物の場合、一般的に裄の長さで着物のサイズを選びます。
直立し、利き腕を地面に水平に伸ばします。
頚椎点から肩先点を通り、手首点までの長さを計測し、その長さに1〜2cmを加えた長さが裄丈になります。
既製品になりますので、できるだけ正確に計測された上でサイズを選ばれるとよろしいかと思います。


今回は、高段を目指すにあたって重要な着物についてのお話させていただきました。
ご自身が着用されている道具について、これを機会に見つめ直してみてはいかがでしょうか。
次回は「弓道における段位「着装編」〜四段、五段以上の昇段に向けて〜」にて、着装に関するお話をさせていただきます。

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