今の形の薩摩弓は300年の歴史を持つといわれています。
鹿児県内の竹を材料として作られており、現在も、隼人周辺の竹を使っています。職人自ら竹林に足を運び、自らの目で良質の竹を切るところから弓作りは始ま ります。そして、切り出してきた竹を縦に割り、それを3ヶ月程度乾燥させ、火であぶり油抜きをし,また3週間ほど天日に干します。さらに、竹より硬くする たに火入れをします。
準備だけで相当な手間と日数を要しますが,その後も弓を完成させるまでに数々の工程を,熟練した技をもって,一つ一つを丁寧にこなしていきます。その中 で,弓の良し悪しが決まるといわれているのが,「弓打ち」と呼ばれる工程。この段階で竹が直線から弧状へと変化します。まっすぐだった竹が,職人の手によ り、成りをつくりあげていきます。
和弓は、竹と木を何枚の重ね合わせてつくりあげることで、強度が増していきます。特に、一燈斎は、古くから伝わる技法と、現代の接着材を用いることで、以前より弓の成りの狂いも少なく、初心者の方から上級者の方まで、幅広く使うことができます。
一燈斎の特徴ともいえるのが、入木の強さであります。
近年の竹弓は、グラスファイバー弓の影響もあり、入木の小さい弓が多くみられますが、日本の古くから伝わる、成りを大切にしておりますので、入木が大きく 感じられる方がいらっしゃいますが、入木の強い弓を引けば、元来、弓の持つ矢を飛ばす力を感じることができるのではないでしょうか。伝統工芸品であるがゆ えに、同じ弓(形)は存在しません。竹の癖を見抜き、素材の良さを一番に出すことのできる弓の形(成)をもとめて、職人が一張、一張、手作業にて製作して おります。
一燈斎の特徴でもある、入木が強いことが一番のおすすめする理由になります。 入木が強いことで生まれる弓返りの速さにより、矢勢は早く弓の収まりも素晴らしいものがあります。竹弓は、扱いが難しいといわれておりますが、難しくはあ りません。慣れていないことで難しく考えてしまうと思います。竹弓を使うことで、新しい弓道への挑戦をしてみてはいかがですか。