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翠山雅

これから弓道を始められる方へ

「弦の選び方」「弦輪と中仕掛けの作り方」〜弦の種類の理解と弦輪と中仕掛けの作り方について〜

弓道用の弦について

弓道の道具の中で初心者の頃、どの弦を使うべきか悩まれる方が多くいらっしゃいます。
弦の素材・長さ・太さ(重さ)などから、自分の使用する弓に合った弦を選ぶ必要がございますので弦の特徴についてご理解いただければと思います。

弦の素材について

弦の素材については、大きく分けて「合成弦」「麻弦」の2種類あります。

1.合成弦(合成繊維にて製造している弦)
素材の特徴としては、高強度・高弾性率・耐熱性に優れた繊維を使っている弦になります。
一般的に原材料は、テクノーラ繊維にて製造している弦とザイロン繊維にて製造しており各メーカーの製造方法により様々な商品を製造しております。

2.麻弦(天然麻にて製造している弦)
天然の麻を使い製造している弦になります。一般的に竹弓のみに使用いたします。 合成弦に比べて伸びにくく、綺麗な弦音がでることが一番の特徴になります。

弦の種類

弦の写真

※竹弓に合成弦を使用する際は、合成弦対応構造の竹弓をご使用ください。

弦の長さ・太さ(重さ)について

弦の長さについて

弓の長さ「三寸詰・並寸・二寸伸・四寸伸」に対して同じサイズの弦をお選びください。
お客様が使われる弓の長さは、矢束から判断できますので使用される弓の長さをご確認の上で弦をお選びください。
並寸用の弦では、二寸伸などの長さの弓は、適合しませんので必ずご自身の使われている弓の長さをご確認ください。

弦の太さ(重さ)について

合成弦の場合は、弓の弓力(kg)により弦の太さ(重さ)を選ぶ必要がございます。
 メーカーにより太さ(重さ)の表示は異なりますが「細・太」や「号」で表記する事が
一般的な表記方法になります。
テクノーラ系の合成弦とザイロン系の合成弦では、弓力の適合が違いますのでご注意ください。又、メーカーにより推奨する太さ(重さ)の違いもございますので、商品をご確認の上ご購入にするようにしてください。

弦輪の色について

弦輪に巻いてある色につきましては、弓の上(うらはず)は、日の輪(ひのわ)と呼び
弓の下(もとはず)は、月の輪(つきのわ)と呼ばれており、上は赤色、下は白色の弦輪の色が一般的に色になります。
 最近では、様々な色の弦輪がございますが基本の色は、上記の赤色と白色になります。

【Point】
高弾性に優れた繊維を使い製造している弦になりますので、弦により矢飛びが大きく変わります。
弓道において早く矢を飛ばす事よりも狙った所(的)に対して同じところに矢を飛ばす事が重要になりますので、お客様自信の弓の素材と弓力、使用するシャフトサイズなどから相性の合う弦をお選びいただく事で、的中率が向上する事もございます。
弦選びの際に意識してお選びいただく事をお勧めいたします。

合成弦の使用上の注意点について

交換の目安(600射~700射 程度が一般的な交換目安です。)

合成弦は、麻弦などと違い弦が切れてから交換するのではなく、600射程度で交換する事をお勧めいたします。使用を重ねることにより素材の特徴でもある「弾性」が無くなり、 正しく矢を送り出す事ができにくくなります。
試合や審査の前には、新しい弦に交換して100射ほど使用してから挑まれる事をお勧めします。

屋外での使用による注意点

合成繊維でできた弦になります。屋外にて練習するなどの場合は、紫外線の影響により弦が切れやすくなりますのでご理解の上ご使用ください。

弦輪と中仕掛けの作り方

弦は、弓に合わせて適切な長さにする必要があります。
その際に弓の先端(うらはず)に弦を取り付けるための輪を「弦輪」と呼びます。初心者の際にはこの「弦輪」を作る事が 難しく時間がかかってしまいますので、早めに覚えられる事をお勧めします。
弦輪を作り、適正な長さに弦を張る事ができれば「中仕掛け」と呼ばれる矢をつがえる部分に麻を巻き、矢をつがえる位置の確定と筈が外れにくいようにします。

弦輪の作り方について

弦輪の作り方

【Point】
合成弦は、素材の特徴上新品の弦は伸びやすいものですので、最初は、適正な弦の長さに対して少し短く弦輪を作る事をお勧めします。
弓把を高めにした状態にて弦を張り、中仕掛けを作る前に何度か素引きをする事で、作り直す回数を減らす事ができます。

中仕掛けの作り方

中仕掛けを作る際に一番重要なことは、矢の筈をつがえる位置を正しく決める事が重要になります。藤と握り革のつなぎ目(藤頭)の位置より矢と弦が90度になるように定めて中仕掛けの位置を決めるようにします。

■昔から中仕掛けは「くすね」を使い作るのが最適といわれていますが、フエキ糊、木工ボンドを使い作る場合が合成弦の場合一般的になっております。
実際に中仕掛けを作る際に、道場の先輩や指導者の方にご質問される事が良いかと思います。

中仕掛けの作り方

【Point】
中仕掛けを作る際には、長く作りすぎず5cm程度の長さに作られる事をお勧めします。
中仕掛けは、必ずチマキのように上が太く下は細くなるように致します。筈こぼれなどは、上から外れてしまいますので、上を太くする事が重要です。

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