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翠山雅

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弓道具の選び方

弓道具の種類と特徴を詳しく知ろう~かけ編~

こちらでは長きにわたり弓道家と共に歩む、かけについて
紹介させていただきます。
弓道をする上でのパートナーとも言える、かけを詳しく知ることにより
かけに対する愛着が一層高まれば幸いでございます。

かけのお取り扱い一覧

かけの重要性

かけとは弓道を始める方にとって、最初に揃えることが重要な弓具です。
使い始めのかけは固く、弓を引く際に余計な力がかかってしまうため、
かけは早くからご自身の手の形に慣らす必要があります。

弓道をこれから始める方は、弓と矢は道場などから借りられる場合が多いですが、
かけは、初めからご自身にぴったりのものをお選びいただき、
使い続けることで手に馴染ませる必要がございます。


「かけがえのない」
日本の言葉にあるように、最初に同じものを購入しても
使う人により、革の馴染み方が異なってまいります。
普段ご自身の使用していないかけを使うと、
矢飛びが変わってしまうほど重要な弓道具です。

長年使ってきたかけは、他には存在しない唯一二無のものとなりますので、
しっかりと手入れや修理を行い、ずっと同じかけを使っていく方が多いです。

かけの種類

かけは、三つがけと四つがけという種類がございます。

かけの種類

三つがけ

現代では、9割以上の方が使用されているかけです。
親指と人差し指と中指を包み込むようにできております。
女性で弓道をされる方が増え、あまり強い弓力を必要としないため、
三つがけを使う方が全体として増えております。

四つがけ

三つがけより指が1本多く薬指まで包み込む形になっております。
三つがけより指の数が増えることで、
弓力が非常に強い弓を引く際に用いられることが多く、
上段者の方が使用することが多いです。

かけの作り

かけの素材は全て鹿革でできております。

平安~戦国時代は今のように牛肉を食べず、
主に鹿肉を食べており、その残った皮などを余すことなく使っていたので、
武具の革は全て鹿革で出来ていました。

その名残で現在でも、かけの素材は鹿革のみで出来ております。

使用される鹿革は鹿1頭から、かけ1つ分しか革が取れません。
かけに使われる鹿は、仔鹿(ことう)という食べる鹿でございますが、
小さい鹿でないと肉が硬くて食べられない為、仔鹿が使用されております。

かけは親指の部分に木材を入れて作られており、
その木材に弦道(弦を引っ掛けるところ)をつけることで、
弓が引ける構造になっております。

かけの手入れ方法

かけは手にはめるものですので、手入れをしないと手汗でカビが生えてしまいます。
かけの手入れは、とにかく乾燥させて湿気を飛ばすことが大事になっております。

使用後は陰干しをする必要があります。
夏場は、陰干しだけでは乾かないので、ドライヤー等を使用して乾かします。
また、かけの下に「弓かけ用下かけ」という肌着のようなものを付けることで、
手汗を吸い取り、かけを湿気から守るという効果があります。

使用後は手ぬぐいなどで包み大切に保管してください。

かけの破損

かけが破損した場合、一般的には修理に出していただきますが、
破損の理由で多いのが指の部分が破れてしまうことです。
かけには、ぎり粉という松やにでできた滑り止めを塗り、
指同士を重ねるので摩擦ですり破れることが多いです。

私たち翠山では、かけの修理も承っております。
かけが破損した場合、お気軽にお申し付けくださいませ。

平安~戦国時代の名残が残るかけ。
そんな伝統あるかけである弓具を慈しみ、愛着を持って手入れや修理を
行うことで、ご自身の内面も道具と共に成長していくでしょう。

日本武道弓道の本来持つ精神修行としての一面を
道具を通じ、感じていただければと思います。

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