弓道具で気をつけることは?
初めて弓道具に触れる方におかれましては、
これから日本の伝統に携わるご自身の姿を思い描き、
心を躍らせていらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、弓道具をお使いいただく上で
ご留意されるとよい点について、ご説明してまいります。
初心者の方が安全に弓道に取り組むための手助けとなりましたら、幸いでございます。
弓
弓道に携わる方々が、弓のご使用前に必ず行っていらっしゃるのが、
まず「弓把(きゅうは)」を確かめることでございます。
弓把とは、弓の握りと弦との間のことを指します。
弓把は、弓の形式上、15 センチメートル前後に定まっており、
それよりも「握りと弦の間隔が狭い、または広い」ことを、
「弓把が低い、または高い」と称しております。
弓把が低い弓ですと、上関板と弦の間隔も近くなります。
これにより、離れの時に弦が弓の裏に返る可能性があり、この症状は弓の破損につながります。
また、手首を打ってしまうなどの怪我につながるほか、
弓や弦を痛める原因になり、
弓が折れてしまったり、弦が切れることにもつながります。
ご自身の安全のためには、
弓と弦が適正な間隔を保っている(適切な弓把を維持している)ものを
お使いいただくことが大切です。
弓道における弓の選定では、
ご自身の体格や力量に合った弓を選んでいただくことが大切です。
また、破損した弓を使わないようご留意されることも大切です。
弓は丈夫にできているものではございますが、
初心者の方におかれましては、一見して危険の度合いが分からないこともございます。
弓の状態につきましては、まず指導者の方に訊ねていただき、
ご自身でも把握されるのがよいかと思います。
矢
弓と同じく、ご自分に適したものをお使いいただくこと、
そして、破損したものを使わないことが重要となります。
普段ご自身がお使いのものではない矢、
他人から手渡された矢などを使いませんよう、
普段からご留意いただくのがよいかと思います。
かけ
手に直接触れることになるかけは、
「かけがえのない」という言葉の語源になったとも言われており、
弓道を行う上で、重要な弓道具です。
新品のかけは固く、弓を引く際に余計な力が加わってしまう原因となります。
そのため、かけは弓道具の中でも最初に揃えていただき、
しっかりと手に馴染ませていく必要がございます。
弓と矢は、これから通われる道場から借りられることが多いですが、
かけは、はじめにご自身の手のサイズにしっかりと合ったものをお選びいただき、
かけがえのないパートナーとして育てていかれるのがよいかと思います。
【まとめ】
ここまで、弓道具別に、お取り扱いについてご説明してまいりました。
弓、矢、かけ、すべての弓道具に共通する点としましては、
ご自身に適したものをお使いいただくことが前提となる
ということでございます。
体格や力量に合った弓道具を選ぶことが、ご自身の安全につながります。
通われる道場の弓道具の保管状態や、破損がないかどうかも含めまして、
指導者の方に訊ね、確認していただくのがよいかと思います。
そのほか、お使いの弓道具に関しまして何か疑問がございましたら、
すぐに弓具店に相談していただければと思います。
初心者の方々が、楽しく安全に弓道を楽しめますよう、心より願っております。