矢の素材について知る〜ジュラルミン・カーボン・竹(矢竹)〜
矢の素材にはジュラルミン、カーボン、竹の3種類がございます。
今回は矢に使われている素材の特徴についてご紹介いたします。
安価でありながら耐久性のあるジュラルミン矢
ジュラルミンとはアルミニウム合金の一つのことでございます。
純アルミニウムに鉄や鋼などの添加元素を加えて強化しております。
ですから、アルミニウムよりもかなり丈夫なのに、軽くて加工しやすくなっております。
ジュラルミンの種類の中には、航空機などにも使用されている素材がございます。
それだけジュラルミンは、強度がある素材と言えます。
矢としてのジュラルミンは、均一性が高く、耐久性もありながら安価です。
天然素材の竹とは違い、温度や湿度など外部の環境に左右されることがございませんので、初心者の方に向いている矢と言えます。
また、特に初心者のうちは矢の消耗が激しく、大体1年ほどで矢の修理や買い替えが必要になります。
そういった点からも、初心者の方は安価なジュラルミン矢をお使いになる方がほとんどでございます。
ただし、ジュラルミン矢は購入金額よりも修理代金の方が割高になってしまいます。
ですから、基本的には修理よりも買い替えてお使いいただくことが多くなっております。
初心者のうちは、矢は消耗品だと割り切ってご使用いただければと存じます。
軽く丈夫で曲がりにくいカーボン矢
カーボンファイバーは炭素繊維でできている素材でございます。
軽い素材でありながら、強さと丈夫さを兼ね備えているため、カーボン矢は曲がりにくく折れにくくなっております。
カーボンはしなる素材ですので、ジュラルミン矢に比べて矢勢が早くなります。
ですから、矢色の出ない安定した矢を放てるようになります。
カーボンはジュラルミンより高価な素材なので、矢の値段もおのずと高くなってしまいます。
しかしながら、弓道に慣れより高みを目指したいとお考えの中級者の方は、
カーボン矢も一度お試しいただくことをおすすめいたします。
自然素材ならではの風合いが感じられる竹矢
矢に使われる竹のことを「矢竹」と言います。
昔はこの矢竹で矢を作っていたため、矢竹と呼ばれるようになったそうです。
矢竹は通常の竹に比べて節の位置が低く、節を境に曲がっていることが少ないため、
矢にするために最適な素材なのでございます。
竹矢は大変な労力と時間をかけて作られるものでございます。
自然素材である竹を一つ一つ選別した上で、元々曲がっているものをまっすぐに加工していきます。
手作業での製作になるため高価ではありますが、
自然素材ならではの風合いや手触りを感じられる、唯一無二のものでございます。
大事にお手入れしていただければ長くお使いいただける素材ですので、
より竹矢の味わいを感じ愛着が湧くのではないでしょうか。
目的や熟練度に合った矢を選びましょう。
矢の素材にはそれぞれ特徴がございます。
技術の熟練度や目的に応じて、ご自身に適正な矢をお選びいただければと存じます。
矢を選ぶ際に悩まれることがございましたら、指導者の方にご相談していただくことが一番でございます。
もしそれでも決めかねる場合には、私たち翠山弓具店も自身が弓を引く弓具店として、お力添えできることがあるかと存じます。
何なりとお申し付けくださいませ。