弓道具のモラル
弓道は、競技としての一面を持つものではございますが、
語り継がれる日本伝統の武道として、礼節を重んじるものという前提がございます。
ここでは、弓道具をお選びいただく上で
ご留意いただくと良いモラルについてご説明してまいります。
これから弓道を始められる初心者の方や、
お持ちの弓道具の買い替えをご検討されている方の
ご参考となりましたら、幸いでございます。
弓道の倫理感
現代弓道の弓道具は、弓道教本の記載に即したものを用いることが基本でございます。
教本に記載された弓道具は、どれも決まって普遍的なお色をしております。
風体を気にかけ、ご自身の外面を着飾る行為と、
ご自分の内面を鍛えるという、武道としての弓道における心得は、
本来、遠い価値観にあるためでございます。
また、古来より湿気の多い気候の日本において、
弓道具が清潔に保たれている様は、
品位を感じさせるものと捉えられてきました。
色や柄のついた弓道具は、汚れを視認しづらく、
お使いいただく方が、ご自身で汚れの程度を把握できないため、
好ましくないとされております。
ただし、昨今では、
現代的な色柄を取り入れた弓道具を扱う弓具店も多数ございます。
翠山の弓道具
翠山弓具店では、弓道家の観点から、
弓を引く姿としてふさわしいと思える弓道具を取り扱っております。
どの道場でお使いいただいても恥ずところのない、
正統派とも言える弓道具でございます。
お好きにお選びいただけるもの
普段から、色柄のお召し物や装飾品を好んで身に付けられている方は、
弓道の倫理観や風習に、
初めは窮屈さを憶える方もいらっしゃることと思います。
とりわけ、お若い学生の方や、女性の方におかれましては、
落ち着いた色調でまとめられた弓道具が物足りないと感じられるかもしれません。
しかし、道場・射場に持ち込まないものに関しましては、
色柄物をお持ちいただいても、問題はございません。
例を挙げさせていただきますと、
弓や矢、かけを包む容れ物につきましては、お好きなものをお選びいただけます。
弓道具の付属品の選定を楽しんでいただくのも、
ご自身の意欲を高めることにつながるかもしれません。
まとめ
弓道具は、道場の方針や、モラルから逸脱なさらない範囲で
お好きなものを選び、楽しんでいただくのがよいかと存じます。
ご自身の師範や指導者の方に、
道場とご縁のある弓具店を紹介していただくこともおすすめです。
弓道は、弓を引く技術のみならず、心の鍛錬を目的としている武道でございます。
心身共に、弓を引くのにふさわしい姿で射場に立たれますと、
弓道という武道の持つ清廉な魅力を、ご自身で感じられることと思います。