弓道の大会ついて
弓道をされている方にとって、大会は日頃の修練の成果を発揮することのできる大きな舞台でございます。
今回は、弓道の大会についてお話させていただきます。
弓道の代表的な大会
代表的な全日本選手権・国体
日本で行われる弓道の大会で、最も権威ある大会は全日本選手権でございます。
男性は天皇杯、女性は皇后杯と呼ばれています。
こちらは、弓道をされている方々の最終的な目標となる一番大きな大会になります。
その次に挙げられるのが、各県の代表選手が出場する国体と呼ばれる大会です。
正式な名称は国民体育大会で、こちらは団体戦もございますし、少年の部もございますので高校生にも出番がございます。
高校生の大会
弓道をされているお子様がいらっしゃる場合には、いつ、どこの大会に出場するのか、どんな大会があるのか気になるという方がいらっしゃるかと思います。
弓道の大会は、春〜初夏、秋〜冬の時期に多く行われるのが一般的です。
高校生の大会としましては、選抜と高校総体(インターハイ)と呼ばれる2つの大会が代表的です。
弊社が位置する名古屋市を例にいたしますと、南と北の2つに分かれており、名南支部と名北支部として予選会が行われます。
そこで勝ち上がった上位2校が、県大会に出場します。
県大会は、16校ほどで競い1位に勝ち上がった場合に全国に出場できます。
個人での競技もございますが、高校生の大会は団体戦がメインです。
大会への出場の仕方としましては、例えば1つの高校からAチーム、Bチーム、Cチームなどという形で多くの部員が出場することができます。
Aチームがその高校の1軍という場合であっても当日試合でよい結果が出ず、Cチームが予選を通過することもございます。
こちらの高校は県大会出場の権利として、1枠もっているということになりますので、Aチームのメンバーは地区予選では敗退しましたが、県大会ではCチームで予選を通過したメンバーではなく、Aチームのメンバーが代わりに出場することも可能となっています。
出場枠の獲得後、高校内で予選会を行うということもあるようです。
高校弓道には、全国高等学校体育連盟弓道専門部と呼ばれる機関ございます。
高校野球がお好きな方は、高野連というワードを聞いたことがあるかもしれませんが、こちらが弓道における同様のものとご理解ください。
様々な形式で行われる大会
弓道の大会には、各弓道連盟が主催する大会、各地域の弓道協会が開催する大会、大学生の学連、高体連など、様々な主催者がおります。
そのため、主催者のルールに基づいて大会が行われ、大会によって形式が違ってまいります。
地域によっては、年齢であったり、段位によって参加資格が決まっている大会もございます。
本来は弓道は座射で行うべきものですが、大会の参加人数によっては立射で行う場合もございますし、近的、遠的の大会もございます。
また、多くはないですが、採点制の大会もございます。
こちらは的中数ではなく的中点として採点される大会です。
一方で的中制の大会もございますので、大会要項をよく読み、出場する大会を決めていただくのがよろしいかと思います。
遠的用ジュラルミン矢
遠的の大会に出られる場合には、遠的用の矢の準備が必要になります。
遠的の大会に近的用の矢で出場することは可能ですが、遠的用の矢と近的用の矢では特徴が異なります。
遠的の矢は近的の矢に比べ、羽の長さが短くなっています。
それによって抵抗力が減少するため、遠的の矢は近的の矢よりもよく飛びます。
遠的であっても、近的であっても弓は同じものを使用するため、矢の特徴を活かすことが重要でございます。
翠山ではSL2013・SL1912・1913の3種類の遠的用のジュラルミン矢を用意しております。
国体、全国大会を目指していくという方には、さらによく飛ぶカーボンの矢をおすすめしておりますが、遠的の入門として始めてみようと思われている方には、ますは安価で耐久性のあるジュラルミンの矢をおすすめしております。
高校生、大学生、社会人と遠的の大会はございますが、全体の80%以上の大会は近的の大会でございます。
遠的の大会に出られるという方であっても、1年に数回の出場となる場合が多く、ほとんどの方がジュラルミンの矢を使用しております。
大会に出場する回数、練習する回数などから判断し、矢を選んでいただくのがよろしいかと思います。
遠的用 ジュラルミン矢はこちら>
大会の競技規則と弓道具
競技規則を確認しておきましょう
大会に参加するにあたっては、競技規則をしっかりと読んで適した道具を使用しましょう。
競技規則の弓具の選定の部分をご覧いただき、今ご自身が使われている道具が競技規則に不適合ではないことを確認していただくのがよろしいかと思います。
大会当日が近づいたにも関わらず、それまで練習に使用してきた道具が競技規則に適していないと分かることもございます。
矢、弓、弦などそれぞれの道具に関して、競技規則に適したものを事前に準備し、自分たちが慣れ親しんだ道具で大会本番を迎えるようにしましょう。
例えば、競技規則の中に矢擦籐の長さは6センチ以上にするという項目がございます。
弓のメンテナンスを行う際には、矢擦籐の長さに注意が必要です。
矢擦籐・合成弦
こちらは矢擦籐でございます。
昔の接着剤は剥がれやすかったため、竹弓の負荷のかかりやすい部分に籐で補強しており、現在もこの形が続いています。
矢擦籐は6cm以上必要で、破れていたり壊れていてはいけません。
こちらを購入していただきますと、ご自分で修理していただくこともできますし、お店に持参して修理を依頼することも可能です。
大会の2週間前には、使用する弓の籐の部分を見て確認しておきましょう。
矢擦籐はこちら>
矢擦籐 一文字
矢擦籐 杉成
また、大会当日に弦が切れてしまうというケースも見受けられます。
弦は消耗品ですので、当日の1週間から10日ほど前を目処として、試合用の弦の準備をしておくとよろしいかと思います。
合成弦はこちら>
道具のメンテナンス、管理について
道具のメンテナンス、道具の管理をすることは大会当日を迎えるにあたって重要なことでございます。
大会の前日であったり、1週間前の急なご依頼では当日に間に合わないということも考えられます。
弊社翠山にも、大会前には弓具の修理依頼がございますし、ぎりぎりになって持ってこられる方が多くいらっしゃいます。
大会を控えていて準備が必要な場合には、余裕をもって事前に行うようにするとよろしいかと思います。
特に矢は練習量が増えると損傷が激しくなりますので、メンテナンスの必要がございます。
壊れている場合には修理や、買い換えが必要になります。
弓道は道具を使用して行う武道でございます。
大会で力を発揮するため、弓具の手入れ、準備をしておきましょう。
レザー弓袋・雨用弓袋
こちらは、レザー弓袋でございます。
弓巻きだけでは物足りないと感じる方は、レザー弓袋をご使用いただくと弓をさらに保護することができます。
大会当日に弓が破損してしまうということもございますので、このようなレザーのソフトケースに入れて持ち運ぶと安心です。
ベーシックカラーの他にパステルカラーの用意もございます。
レザー弓袋はこちら>
レザー弓袋 ベーシックカラー弓袋
レザー弓袋 パステルカラー弓袋
こちらは雨の日に弓が濡れることを防ぐ雨用の弓袋で、いわゆるカッパの役割を果たします。
上でご紹介いたしましたレザー弓袋は縫製されてできたソフトケースでございますので、防水加工はされておらず、雨に濡れると水が入ってしまいます。
大会当日の朝に雨が降った場合に、弓を引こうと思ったら濡れてしまっているということがございます。
鹿革で巻かれた弓の握りの部分まで濡れてしまい、握れなくなってしまったという高校生の方もいらっしゃいます。
レザー弓袋の上から、こちらの雨用弓袋を被せてご使用いただくとよろしいかと思います。
比較的安価な商品ですので万が一に備えて持っておけば、大会当日の突然の雨にも対応するできます。
こちらの雨用弓袋は、レギュラーサイズとワイドサイズがございます。
雨用 弓袋はこちら>
雨用弓袋 レギュラーサイズ
雨用弓袋 ワイドサイズ
大会の開催という点に注目いたしますと、もしかしたら日本のどこかで毎週のように弓道の大会が行われているかもしれません。
近年では世界各国で、弓道の国際大会も行われています。
出場が可能な大会の中から、ご自身の弓道の目標に合わせて選択されるとよろしいのではないでしょうか。
弓道の大会は日頃の修練の成果を発揮することのできる舞台ですので、事前にできるチェック、準備をして悔いのないように当日を迎えましょう。