弓道における段位①
弓道の段位は、日々の修練の目標として、努力を重ねた成果として目に見える指標となるものでございます。
段位の認許を受けることは、弓道人としての誇りにつながります。
今回は、弓道の段位についてお話しいたします。
級位、段位は審査会にて認定されます
弓道における級位、段位は審査会に参加し合格することで全日本弓道連盟から認許されます。
審査会は段位の認許を受ける晴れの舞台でございますので、審査員の先生方に礼を尽くすという心構えが重要でございます。
六段までの審査では行射と学科の試験が行われます。
行射試験
行射の審査は審査員の先生の前で、審査の要綱に従って行います。
受審者は甲矢(はや)、乙矢(おとや)と呼ばれる2本の矢を引きます。
審査の基準としましては、的に中(あた)ることだけでなく、射法八節、射品射格、着装などの観点から総合的に評価されます。
学科試験
学科試験では、種別ごとに出される問題が公表されております。
そのため、学科の受審にあたり試験の前から対策をとることができます。
対策の方法としましては、全日本弓道連盟が発行する弓道教本で勉強していただくとよろしいかと思います。
弓道教本は一巻から四巻まである弓道の専門書でございますが、まずは一巻を手にとって読んでいただきますと、弓道の基礎を学ぶことができます。
翠山で販売する弓具につきましては、弓道教本を基準としたものとなっていることに留意しております。
現代弓具 プラスティック弦巻 3点セット
行射の審査では、2本の矢を引きます。
弦は消耗品でございますので、審査の場で弦が切れてしまうということがございます。
万が一、1本目の行射で切れてしまった場合には、その場で予備の弦と交換しなければなりません。
この際には替弦が必要になりますが、こちらを忘れる方がいらっしゃいます。
審査を受けるときには、替弦を弦巻に入れて持参しましょう。
プラスチック製の弦巻、弦紐、ぎり粉の3点セットのご用意がございます。
こちらはイエロー、ブラック、ブルー、ピンクの4色のカラーから選んでいただくことができます。
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級位について
弓道の級位は、五級・四級・三級・二級・一級となっております。
初めて審査を受けるという場合には、無指定という形で受審することになります。
最初から初段に絞って審査を受けたいという方もいらっしゃるかと思いますが、残念ながらそういったことはできません。
弓道の審査における間合い、適切な型が概ねできている受審者は、二級、一級、練習を重ねていらっしゃる場合には初段に合格されることが多い傾向にあります。
最初から初段を目指して審査を受けたけれど合格できないというケースもございますが、級位から始まるのが一般的な弓道のスタートです。
初段に合格するということは、段位を取得した弓道の有段者になることを意味します。
県によっても違いが見られますが、決して簡単なものではありません。
日々の修練の積み重ねが必要なのでございます。
近的用ジュラ矢 ターキー白羽1913シャフト6本組
初段を受審する場合や合格されたときには、最初の矢の使用を始めてすでに半年から1年、またはそれ以上経過していることがほとんどでございます。
矢は消耗品でございますので、初段の受審、合格時は二組目の矢の購入を検討されるタイミングとしてよろしいかと思います。
ジュラルミン矢の優れた点は、安価であること、丈夫であること、均一性がとれていることの3点が挙げられます。
その中で、安価という点が最も大きなポイントでございます。
高校生の方が、初めて矢を購入されるといった場合に、しばしばこちらの矢を選ばれます。
弓道を始める際に、弓道着、かけ、矢などを合わせてご用意されますと費用は膨らみます。
他の弓道具を購入する際、こういった費用の兼ね合いを考慮して安価なジュラルミン矢を選ばれる方が多くいらっしゃいます。
ジュラルミンの矢は1年以上使用を続けていると曲がっている可能性もございます。
曲がったことに気がつかないまま、適切な練習ができないということも起きてしまいます。
とりわけ2本しか引くことのできない審査の場において、曲がっていたり破損している矢を使用するということはもったいないです。
初心者の方の場合は破損度が大きくなるため、審査を受ける機会には新しい矢に買い換えることをおすすめいたします。
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初段について
初段におきましては、高校生講習審査が設けられている県がございます。
弓道連盟は県単位で決まっておりますので、県ごとに様々な違いが見られます。
こちらの審査は一般審査とは少々異なり、高校生のみ参加が可能となっております。
2日間開催される講習会に参加していただき、2日目の午後に審査会を行う形式でございます。
勉強会に参加し、次の日にテストを受けるといった形をイメージしていただくとよろしいかと思います。
弓道の級位や段位には年齢に伴う要素もある程度、重要視されます。
弓道は武道でございますので、射法八節を覚えて審査の場で実践できるかということだけでなく、射品射格と呼ばれる部分が求められます。
弓道に対する考え方や、様々な経験によって人間完成しているかどうかといったところから醸し出される雰囲気が、弓道人としての格に繋がることもございます。
初段、弐段の審査基準としましては、的中不問となっております。
的に中れば合格できると考える方がいらっしゃいますが、そうではありません。
普段の修練や、当日の着装を含め、最低限できることをしっかりと行ったうえで初段の審査に臨まれるとよろしいかと思います。
伝統弓具 弓道用 弓かけ三分縁手形合わせ
かけの紐にはカラフルなものも見受けられますが、初段に合格し弐段を目指されるときには着装という観点から、使用する道具の色目が大切でございます。
最近では以前ほど厳しい基準ということではなくなってきておりますが、本来かけの紫色の紐は他の武道の黒帯と同様に初段に合格している方が使用します。
有段者の方が茶色の紐を使用することに問題はございません。
こちらの商品は、茶色、紫色から紐の色を選ぶことができます。
子鹿の革を使用した三分縁の弓かけとなっております。
お客様に用紙またはスキャナーで手形を作成していただきまして、それに合わせた加工をさせていただきます。
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今回は、審査会、級位と初段についてお伝えさせていただきました。
次回は「弓道における段位②」にて、弐段から上の段位を中心にお話させていただきます。